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リサーチ・技術解説公開 2026-06-01更新 2026-06-01

Web3資金調達ウィークリー(5/25-5/31)|JPYCが約$34.8M調達、SamsungがUpbit運営Dunamu株4%を取得、SoFiが銀行発ステーブルコイン

銀行アプリに載りはじめたステーブルコイン

銀行アプリ、準備金台帳、決済と償還の経路を業務フローとして並べた図

今週のWeb3でいちばん大きな流れは、ステーブルコインが「取引所に置いておく資産」から「銀行や決済の現場で使うお金」へ動き出したことです。

その象徴が、5月27日にアメリカで起きました。SoFiが、国法銀行として発行するステーブルコインSoFiUSDを、自社の銀行アプリで使えるようにしたのです。銀行が発行するステーブルコインが、そのまま銀行アプリに載るのは初めてです。

日本でも同じ週に、日本円ステーブルコインを手がけるJPYCがSeries Bで累計約50億円(約$34.8M)を調達しました。JPYCは円と1対1で交換できるステーブルコインで、調達資金は発行・償還・決済・管理といった「お金を実際に動かす」業務にあてられます。

通貨も発行体も国も違いますが、向いている先は同じです。ステーブルコインを投資対象としてではなく、送金や支払いの道具として既存の金融サービスに組み込む。今週はその動きが、規制された銀行と決済の側から一歩進みました。

本人確認と制裁対応、厳しくなる取引の入口

本人確認、ウォレット審査、制裁対応の入口管理を階層化して示した図

5月26日、英国FCDOはロシア制裁リストに18件を追加しました。対象にはEXMO Exchange LimitedやHuobi Global S.A.などの暗号資産交換業者が含まれます。通知は、対象者とのコルレス銀行関係や支払い処理の禁止にも触れています。

この週の本人確認関連では、二つの方向がありました。一つは、事業者が登録時点から取引監視までまとめて管理する形です。Diditは追加$6Mを調達し、Seed累計を$7.5Mにしました。KYC、KYB、取引監視、ウォレットスクリーニングを一つのAPIで提供し、金融アプリや暗号資産サービスで使われる想定です。

もう一つは、利用者が必要な条件だけを証明する形です。Aztec Labsは、ZKPassportの開発元Obsidionを買収しました。ZKPassportはパスポートや政府発行IDのNFCチップを読み取り、年齢、国籍、人間であること、制裁対象でないことなどをゼロ知識証明で示すプロトコルです。買収額は非公開で、チームはAztec Labsに参加し、プロトコルとiOSアプリはオープンソースとして維持される方針です。

制裁対象を避ける、本人確認を済ませる、必要な属性だけを示す。取引の入口で求められる作業は増えています。ただし、DiditのAPI型確認とZKPassportの証明型IDは、同じ本人確認でも設計が違います。

SamsungがUpbit運営会社Dunamuの株式を取得

既存株主から複数の金融機関へ株式が移る流れを台帳として示した図

韓国では、暗号資産取引所Upbitの運営会社Dunamuをめぐる大型の株式取得が報じられました。Samsung Securities、Samsung SDS、Samsung Cardの3社が、Dunamu株式4%を6128億ウォン、約$408M相当で取得する内容です。

これはDunamuが新株を発行して資金を得るラウンドではありません。Kakao系株主などが持つ既存株式を、Samsung系3社が取得する取引として報じられています。資金調達ではなく、韓国の大手金融・IT企業が取引所運営会社の株主に入る話です。

DTCCのトークン化と、チェーンをまたぐ送金

保管資産、トークン化、チェーン間ルーティング、監視を接続基盤として並べた図

5月27日、DTCCとStellar Development Foundationは、DTCが保管する資産のトークン化サービスをStellarネットワークへ接続する計画を発表しました。提供開始は2027年前半を見込み、検討対象としてラッセル1000構成銘柄、主要指数ETF、米国債などが挙げられています。

同じ週、オンチェーン側では実行と監視に資金が入りました。SquidはNorth Island Ventures主導の戦略的ラウンドで$6Mを調達しました。複数チェーンをまたぐトークンスワップ、ブリッジ、価値移転を、API、SDK、ウィジェットから扱うルーティング基盤です。

ほかに同じ領域では、OtomatoがImprobableから$2Mを調達してDeFiポジション変化の通知レイヤーを掲げ、HypernovaはHyperliquid上のオンチェーンプロップトレーディングプロトコルとして$3MのPre-seedを調達しました。

DTCCの発表は伝統的な証券市場の保管・決済に近い話です。Squidはオンチェーン上で資産を動かす経路を扱い、OtomatoとHypernovaはその周辺の監視や支払いに寄った小型案件です。市場は違いますが、どちらも「資産をどう動かし、どう記録し、どう支払うか」を扱っています。

取引・配信・ゲームに組み込まれるAI

取引、配信、暗号化メッセージ、ゲーム配布の導線にAI実行基盤が入る図

AI関連の資金は、基礎モデルそのものより、すでに利用者がいる画面や取引導線に向かいました。オンチェーン取引、ライブ配信、暗号化メッセージング、ゲーム配布にAIを入れる案件が並んだ形です。

AIW3はLiquid Capitalから金額・評価額未開示の戦略的投資を受け、K25.aiはNewGenIVF Groupと$2Mの戦略的投資契約を結びました。K25.aiのクロージングと追加投資は、最終契約、Nasdaq規則、株主承認、法規制上の条件に従います。Luffa AIはGoFintech Quantum Innovation Limitedから戦略的出資を受け、取引上の評価額は$220Mと発表されました。GAMEEでは、Alpha ComputeがAnimoca Brandsから60%持分を最大$11Mで取得しました。

今週の参照ページ

日本円決済とAPAC導線:

本人確認、クロスチェーン、AI実行:

取引所株式、ゲーム、オンチェーン取引:

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FAQで確認したい論点

比較検討や社内説明で出やすい疑問を、一次説明に戻れる形で確認できます。

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