RobinhoodはカナダのWonderFiを6月1日に買収しました(約C$250M、Globe and Mail報道)。韓国ではOKX VenturesとKorea Investment & SecuritiesがCoinoneに合計$106Mを出資しています。同じ週、CFTCはCoinbaseにパーペチュアル先物(無期限先物)の米国内提供を認め、KalshiがBTC・ETHのCFTC認可パーペチュアルを開始しました。機関向けデリバティブ取引インフラのSignalPlusが$50Mを調達したのも同じ週です。
RobinhoodがWonderFiを買収し、カナダへ参入

今週最大の取引は、RobinhoodによるカナダのWonderFi買収です。完了は2026年6月1日。WonderFiはBitbuyとCoinsquareの2ブランドでカナダ全州の規制対応済み暗号資産取引サービスを運営してきた企業で、RobinhoodはC$250M規模(Globe and Mail報道)でこれを取得しました。カナダで暗号資産取引サービスを提供するには各州の証券規制当局への登録が必要で、WonderFiが持つこの許認可基盤がそのまま引き継がれます。買収後、カナダの入金済み顧客30万人がRobinhoodアプリへ移行し、Robinhoodの海外入金済み顧客は100万人を超えます。
韓国では同週、Coinoneの株主構成が変わりました。OKX VenturesとKorea Investment & Securities(KIS)が合計1600億ウォン(約$106M)を投じ、規制当局の承認後にそれぞれ19.6%を保有します。既存株主からの二次取得と新株引受を組み合わせた構成で、Coinone CEOのCha Myunghun氏は27.8%の最大株主として経営権を維持します。CoinoneはKRW建て現物取引を主力とする韓国の中央集権型取引所で、OKXはグローバル大手、KISは韓国の大手証券会社です。同週、Korea Digital Exchange(Flybit運営)の65%超についてもWeHubとの株式譲渡契約が締結されており、韓国の中規模取引所への外部資本流入は週全体を通じて続きました。
米国規制デリバティブ市場の開設と、機関向けインフラへの資金流入

6月1日、CFTCはCoinbaseにパーペチュアル先物(無期限先物)の米国内提供を認め、6月3〜4日にはKalshiがBTC・ETHのCFTC認可パーペチュアルを相次いで開始しました。パーペチュアル先物はこれまで主に規制外のオフショア取引所で提供されてきた商品で、米国内の規制された場での実装が始まった週に、機関向けデリバティブ取引インフラのSignalPlusが$50Mを調達しています(HashKey Capital主導のSeries B1、評価額$500M、BlockBoosterとAppWorksも参加、Goldman Sachsが単独フィナンシャルアドバイザー)。
SignalPlusは、複数取引所をまたいでオプションとデリバティブのポジション管理と注文執行を一元化するターミナルを機関投資家に提供しています。2025年Q4の取引量は$160B、うちDeribit経由のBlock-RFQ(大口注文を板に出さずに相対で約定させる仕組み)が約$70Bを占めました。今回の資金はAIを組み込むSignalPlus 2.0の開発と地域展開に充てられます。
機関向け暗号資産データ基盤の集約

機関向けデータ基盤の集約という流れは続いており、今週はKaikoがAmberdataを買収しました(金額非公開)。Amberdataはデリバティブ分析、オンチェーンデータ、AIを使った市場インテリジェンスを機関投資家向けに提供してきた企業で、主要顧客は北米の大手機関投資家とされます。Kaikoにとって5件目の買収で、5月のCometh取得に続き2週連続の買収です。統合後は200超の取引所、20超のブロックチェーン、2万超の銘柄をカバーし、250社以上の顧客を持つ体制になります。
機関向け取引インフラでは、米連邦破産法第11章(Chapter 11)の手続き下にあるBlockFillsをKeyrockが$3.25Mで取得することが5月26日に確認されています(裁判所の最終承認は6月16日審理予定)。BlockFillsはシカゴを拠点とする機関向けOTC取引・レンディング企業で、2025年取引高は$60Bを超えていたとされます。Keyrockはベルギーを拠点とするマーケットメイカーで、シリーズCを$1.1B評価で調達後に事業拡大を進めており、BlockFillsが持つ機関顧客ネットワーク(ヘッジファンド、アセットマネージャーなど約2,000社)と取引インフラへのアクセスが主な取得目的と報じられています。
保険大手と通信インフラ、外部取得で暗号資産市場に参入

保険ブローカー大手WTW(Willis Towers Watson、NASDAQ上場)が暗号資産保険市場に参入しました。取得先はRedefindで、金額は非公開です。Redefindは、ブロックチェーン上の所有証明を使って資産を預けずに保有を確認し、盗難・紛失時の「回収費用」を補償する非カストディ型の保険を提供してきた企業です。引受の裏付けにはロイズ(ロンドン保険市場)のA+格付けシンジケートが付きます。WTWはまず英国でサービスを立ち上げ、段階的に対象市場を広げる方針で、Redefindの創業者2名は引き続き運営を担います。
DePIN(分散型物理インフラ)側では、Helium Mobile(Nova Labs)のキャリアサービスがNoble Mobileへ移管されました(金額非公開)。Noble MobileはAndrew Yang氏が2025年に立ち上げた通信事業者で、Helium MobileのMVNO(仮想移動体通信事業者)運営と、T-Mobileの5G回線とコミュニティ運営ホットスポット(約139,000台)を組み合わせた分散型ネットワークが加わります。Heliumネットワーク本体とNova Labsは独立して存続し、Nova Labsはキャリア事業を切り離すことで大手キャリアとのトラフィックオフロード契約に集中する方針です。HNTトークンは発表当日に約7%下落しました。
ほかに同週では、WasabiCardが約$10M(Vernal Capital・Avenir Group・Vision Plus Capital・01VC、Pre-A)、SpeedLabsが$6.5M(Parlay Capital主導のSeed、2026年夏の立ち上げを予定)を調達しました。2U2aiとAxisはいずれも金額非公開です。WTWのRedefindは英国先行でのサービス開始を予定しており、他市場への展開時期は未定です。
今週の参照ページ
取引所・取引基盤:
- RobinhoodがカナダのWonderFiを買収
- CoinoneがOKX Ventures・KISから$106M相当の戦略的出資
- Flybit運営会社Korea Digital ExchangeがWeHubにより買収
- SignalPlusがHashKey Capital主導で$50Mを調達
データ・インフラ:
保険・DePIN・その他:
- 暗号資産保険プラットフォームRedefindをWTWが買収
- Helium Mobile(Nova Labs)をNoble Mobileが買収
- WasabiCardがVernal CapitalらのPre-Aで~$10Mを調達
- 2U2aiがCastrum Istanbul・M2M Capitalから戦略的投資を受ける
- AxisがSteakhouse FinancialとSerotoninの参加するラウンドで資金を調達
- SpeedLabsがParlay Capital主導で$6.5Mを調達
あわせて確認した同週の外部ニュース
- CFTC Clears Coinbase to Offer Deribit-Style Crypto Perpetual Futures to US Traders
- Kalshi Launches Bitcoin Perpetual Futures After CFTC Approval
- Digital Asset Market Clarity Act Placed on US Senate Legislative Calendar
- JPMorgan, Citi, Bank of America, Wells Fargo Announce Regulated Settlement Network
- Japan FSA Opens Market to Foreign Stablecoins Effective June 1, 2026