tokenized riskインフラのDeFi @Corkprotocol が a16z crypto(CSX)から $5.5M をSeedで調達
個人的にかなり面白いと思ったので厚めに解説..!!
Corkとは?
Corkは、ステーブルコインやLST/LRT、ボールト持分、RWA系トークンのように「参照価格に連動している前提で使われがちだけど、流動性や償還条件のせいでペグが外れる」リスクを、Swap Tokenという形で切り出して売買できるようにするプロトコルです。
この仕組みの中心にCork Poolがあり、担保資産(Collateral Asset)と参照資産(Reference Asset)のペアでマーケットがつくられます。
身近な例でいうと、ETH(担保資産)とstETH(参照資産)です。他にもUSDCを担保資産、RWA Vaultのシェアトークンを参照資産とするパターンなど多岐にわたります。
Cork Poolとは?
Cork Poolは、担保資産の入金を受け、その担保をロックしたままcPT(Principal Token)とcST(Swap Token)を同時に発行します。参照資産は「担保資産と同等の価値をトラックする想定」ですが、流動性やリスクの性質が違う前提で、価格が乖離する局面がある設計です。
cST(Swap Token)とは?
cST(Swap Token)は、満期までの任意のタイミングで「cST+参照資産」を差し出すと「担保資産」を受け取れる権利そのものです。
例えば、stETHがETHに対して0.8まで下落したとすると、cSTが少なくとも0.2 ETHぶんの価値になり得ます。つまり、ペグが外れていないときにcSTを0.01 ETHで買っていた場合、リターンが見込めるということです。cSTが参照資産の毀損に対するレバレッジのかかったヘッジ・トレードになっているといえます。
cPT(Principal Token)とは?
cPT(Principal Token)は、Cork Poolに預けた担保資産の「満期に受け取る取り分」を表すトークンです。LPは担保資産を入れてcPTとcSTを受け取り、cSTを市場で売ってプレミアムを先に受け取ります。
次に、ヘッジしたい側はcSTを買っておき、必要になったタイミングで「cST+参照資産」を差し出して担保資産に引き換えます(この引き換えを、以降は“行使”と呼びます)。参照資産が売れない、償還待ちで時間がかかる、価格が一時的に崩れる、といった局面で、参照資産を担保資産へ即時に切り替えるための手段になります。
行使が発生すると、Cork Poolの担保資産は減り、その分だけ参照資産がPoolに残ります。つまりcPTは「満期に担保資産だけを受け取れる」とは限らず、引き出しの中身が参照資産寄りになる可能性があります。参照資産が元の水準に戻らないままだと、cPT側がその損失を負担する構造です。
満期まで待たずにLPがポジションを閉じたい場合は、cSTを市場で買い戻してcPTと同量そろえて担保資産に戻します。価格の関係としては、cSTが高い局面ではcPTがその分だけ安くなりやすく、逆にcSTが安い局面ではcPTが相対的に厚く見えやすい、という動きになります。
現状としては、Airswap OTCでcST/cPTが売買可能とのことです。
中長期で資金流入が見込めるトレンド領域の課題解決を提供している
RWAや利回り付きステーブルコインは、オンチェーン化が進むほど「同値っぽく扱われる資産」が増えていきます。実際にRWA周りでは、BlackRockのBUIDLやFranklin TempletonのBENJIのように、トークン化商品がすでに出てきていて、大きな資金流入が見込める領域であることは明らかです。
ただ、オンチェーン上では「ほぼ同値」として扱われても、実体側の償還や清算は日次〜月次、四半期単位で動くことがあります。償還日まで引き出せない、二次流通が薄くて売ると大きくディスカウントされる、というズレがそのままリスクになります。
例えば @USDai_Official のsUSDaiは、GPUを担保にした融資収益を源泉に利回りを出す設計ですが、アンステークの償還は30日ごとの固定日に処理されます。こういう「時間がかかること自体のリスク(デュレーションリスク)」は、担保や清算の即時性を前提にしたDeFiと衝突しやすいです。
Corkは、duration(償還までの時間)やilliquidity(流動性が少なくて売れない)やcredit risk(中身の貸付先が毀損する)をSwap Tokenとして切り出し、ヘッジや価格形成の市場に載せる設計です。
RWAや利回り付きステーブルコインの「償還待ち」を、別の市場に分離する発想は芯を食っていて期待感があると思いました。
すでにEthena(sUSDS:USDe / sUSDe:USDT)やLido(wETH:wstETH)、etherfi(wstETH:weETH)、Agglayer(Vault Bridge)との統合が出ているので、次にどの参照資産へ広がるかも追っておきたいです。