利回りつきRWAトークン化プロトコル @tenbinlabs が Galaxy Ventures主導で $7M を調達
Wintermute Ventures、FalconX、GSR なども参加

プロジェクト概要

Tenbinは、ゴールドやFX、コモディティの「トークン化」を、現物を保管して引換券を発行するモデルではなく、「実際の流動性があるデリバティブ市場インフラ」に接続する構想です。
現物カストディ型(よくあるトークン化RWA)は、裏付けが「保管庫にある現物(金など)」です。
オンチェーンのトークンはいわゆる引換券なので、mint/redeem は発行体の口座・本人確認・銀行/カストディのオペレーションをまたぎやすく、どうしてもタイムラグが出ます。
結果として、オンチェーン側の価格がズレても、誰でも即座に償還して裁定する動きが効きにくく、板が薄いと歪みが残りやすい、という問題が起きます。
たとえばPaxosのPAXGは、PaxosでのKYC、銀行口座登録を前提にPAXGのconvert/redeemが扱われています。
一方、Tenbinが掲げるモデルは、裏付けを金などの「現物」ではなく、CME先物市場を起点にした“ヘッジ建玉+担保”とすることです。
オンチェーン側は、その担保構成(オンチェーン/オフチェーンの両方を使う前提)でmint/redeemを高速化し、通常時はmint/redeem手数料ゼロ、約30秒での償還を目標にしています。
つまり、“現物の引き渡し”で担保することで価格をペグさせていくのではなく、“先物建玉の調整と担保管理”で回して、オンチェーン価格のズレを埋めやすくする、ということです。
利回りについても、現物カストディ型だと「保管しているだけ」で利回りが基本的に生まれませんが、Tenbinは「インスティ側のキャリー」と「オンチェーンのステーブルコイン利回り」を原資に、利回り付きのゴールド/FXエクスポージャーを作る、と説明しています。つまり“裏付けが現物”ではなく“建玉+担保”に寄ることで、利回りの原資を作りにいく建付けです。

イメージとしては、EthenaのUSDeがデリバティブヘッジを前提に“オンチェーンで使える形のエクスポージャー”を組み立てている点を、ゴールド/FXなどへ広げる発想に近いです。
そのためリスクという観点では、EthenaはDocsで清算(liquidation)リスクを明示し、異常時の介入方針にも触れていますので、Tenbinも何かしらのリスクを明示すると思われます。

ローンチは「利回り付きトークン化ゴールド」を2026年前半としており、Hidden RoadやRipple Primeなどのマーケットメイカー/プライムブローカー連携から始める計画です。その後はBRL、MXN、JPYなどのFX、コモディティや金属、エネルギー商品まで拡張するそうです。
チーム
共同創業者兼CEOは Yuki Yuminaga 氏で、Fenbushiのリサーチパートナー、SorellaのHead of Growthの経歴が紹介されています。
個人的な意見
以前紹介したCork Protocolのように、償還待ちをトークン化するという発想もあれば、今回のように償還待ちそのものをなくす + Ethenaのように利回りも提供するという発想もあって、RWAが単なるトークン化というフェーズから次のフェーズに移行している感じがしています。
今後も”償還待ち”という巨大化するであろう市場の課題に取り組むプロジェクトが続々出てくると思うので引き続きウォッチです。