DeFi のプライムブローカー層の Mobius Exchange が、YZi Labs(旧 Binance Labs)主導の戦略ラウンドを完了。Finality Capital、L2 Iterative Ventures(L2IV)、The Rollup、SNZ Holding、Inception Capital(旧 OP Crypto)、Contribution Capital が参加し、調達額は非公開です。発表は Mobius Exchange の公式 X アカウントに基づくもので、記事執筆時点で一次ソースとなる公式プレスリリースや主要メディアの報道は確認できていません。
プロジェクト概要
Mobius Exchange は、複数のパープ DEX(無期限先物取引の分散型取引所)をまたいで統合的な証拠金管理と取引アクセスを提供する DeFi のプライムブローカー層を開発しています。プライムブローカーとは、伝統的な金融において機関投資家向けに証拠金(担保)の管理、レバレッジの提供、複数取引会場への執行を一括して担う仲介サービスを指します。Mobius はこの機能をブロックチェーン上で実装しており、中央の管理者なしに複数 DEX の証拠金を一元管理できる設計です。
中核となるのは「クレジットアカウント」と「ベニューアカウント」の組み合わせです。クレジットアカウントはユーザーが保有するスマートウォレットで、担保の保管・債務の追跡・健全性チェックをオンチェーンで自動的に行います。ベニューアカウントは個別の DEX 上でクレジットアカウントが制御する取引口座で、ひとつのクレジットアカウントから複数 DEX への注文を管理する構造になっています。貸し手はプールに資産を預けて利息を受け取り、その資本が借り手(レバレッジトレーダー)のポジションに充当されます。
ファンディングレートのアービトラージ(複数 DEX 間の資金調達率の差を捉える取引)や、デルタニュートラルのイールド戦略(相場の方向性に左右されにくい利回り獲得)を、一元化された証拠金管理のもとで実行できる点が特徴です。まず BNB チェーンでのローンチを予定しており、初期の取引会場は BNB チェーン最大のパープ DEX である Aster となる見込みです。その後、Hyperliquid および Arbitrum への対応拡張を計画しています。
出資陣と位置づけ
ラウンドをリードする YZi Labs は旧 Binance Labs で、公開情報によると運用資産 $10B 超・ポートフォリオ 300 社超の実績を持ちます。2025年10月には BNB チェーン専用ファンドとして $1B を設定したとされており、Mobius が BNB チェーン上の Aster を最初の統合先に選んでいることは YZi Labs の投資方針と合致しています。
Finality Capital は2018年設立のシード特化ファンドで、機関投資家向けの暗号資産採用をテーマに DeFi インフラや DEX への投資実績があります。L2 Iterative Ventures(L2IV)はインフラ・モジュラーブロックチェーン・ZK 系に注力するウェブ3投資会社です。SNZ Holding は2016年設立でアジア東西をつなぐ投資実績を持ち、Circle 社の Arc Builders ファンド投資家ネットワークの戦略パートナーでもあります。Inception Capital(旧 OP Crypto)はアジア・西側連携に強い早期ステージ VC で、Arbitrum・Scroll・Lido などへの投資歴があります。The Rollup はクリプトメディアとベンチャー投資部門を合わせ持つ会社です。Contribution Capital については記事執筆時点で詳細を確認できていません。
なお、今回の調達額および資金使途は、確認した範囲のソースでは開示されていません。各投資家に関する数値・固有名詞は各社の公開情報に基づいていますが、本ラウンドに関する公式プレスリリースが記事執筆時点で未確認のため、出資条件の記述は Mobius Exchange 公式 X アカウントの告知を一次ソースとしています。
参考リンク
https://docs.mob.exchange https://crypto-fundraising.info/projects/mobius-exchange/ https://t.me/crypto_fundraising/5208