トークン化されたソブリン債(国が発行する国債)の発行インフラを手がける M1X Global が、Paradigm主導の Seed ラウンドで $5.5M を調達。Breed VC も参加し、ラウンドは2026年7月7日に公表されました。今回のラウンドは超過応募となり、2026年3月ごろの $3M のエンジェルラウンドと合わせて累計調達額は $8.5M に達しました。
プロジェクト概要
M1X Global は、マーシャル諸島共和国と組み、USDM1 というトークン化された国債を発行するためのインフラを提供する企業です。ソブリン債とは、国が資金調達のために発行する債券、すなわち国債のことを指します。USDM1 は、国が公開ブロックチェーン上で直接ネイティブ発行する初の米ドル建てソブリン債とされ、短期の米国債で 1 対 1 の裏付けを持ち、破産隔離(発行体が破綻しても資産が保護される仕組み)されたカストディで保管されるとのことです。準拠法にはニューヨーク州法が用いられています。
USDM1 は Stellar、Canton、Solana といった複数の公開ブロックチェーン上で利用できます。最初のユースケースは政府による給付で、マーシャル諸島の市民は Lomalo ウォレットを通じて資金を受け取り、決済は従来のコルレス銀行(海外送金を中継する銀行)網に頼らず数秒で完了するとされています。Stellar 上では、USDM1 を使った世界初のオンチェーンでのベーシックインカム給付が行われたと説明されています。
機関担保としてのUSDM1と資金使途
M1X が見据えるもう一つの用途は、機関投資家向けの担保です。24時間365日動く市場では、担保もまた24時間365日動かせる必要があります。Paradigm の Arjun Balaji 氏は「24/7 の市場には24/7 で動かせる担保が要る。USDM1 は、ソブリン債がどのようにオンチェーンで動けるかを示している」とコメントしています。USDM1 は、マージン(証拠金)やレポ(債券を担保にした短期資金の貸借)、デリバティブ取引の担保として、即時(T+0)決済で使える設計だとされています。
こうした用途の検討には、Bank of America、Citadel Securities、Virtu Financial、Tradeweb、DTCC といった金融機関が参加するワーキンググループが関わっており、オンチェーンで発行された国債が担保の可動性と決済をどう改善しうるかを評価しているとのことです。M1X は、今回の調達が投機的なトークンの新規発行ではなく、インフラと機関採用に焦点を当てたものだと強調しています。資金は、マーシャル諸島という単一の発行体で確立した USDM1 の仕組みを、他の発行体や機関ユースケースへ広げるために充てられます。
参考リンク
https://www.prnewswire.com/news-releases/m1x-global-announces-further-funding-led-by-paradigm-totalling-8-5-million-302819729.html https://www.theblock.co/post/407341/paradigm-m1x-global-funding-tokenized-sovereign-debt https://cryptobriefing.com/paradigm-m1x-global-tokenized-debt-seed-round/ https://crypto-fundraising.info/projects/m1x-global/ https://t.me/crypto_fundraising/5259