PayFi(決済特化金融、Payment Financeの略)向けLayer-1ブロックチェーンの AXON Finance が、Infinite Alliance主導の Strategic ラウンドで $2M を調達。UZ Capital と BMFoundation も参加したとのことです。
プロジェクト概要
AXON Finance は、汎用ブロックチェーンを後から決済向けに改造するのではなく、最初から決済処理に特化して設計されたLayer-1ブロックチェーンです。高いスループット(処理件数)、サブ秒(1秒未満)でのファイナリティ(取引の確定)、そして低く予測可能な手数料を掲げ、ステーブルコイン決済のための基盤機能、アカウントアブストラクション(ウォレットの鍵管理や取引条件を柔軟に設定できる仕組み)、手数料スポンサーシップ(利用者に代わって手数料を負担する仕組み、いわゆるガスレス送金)、そして着脱可能なコンプライアンスゲートウェイ(KYC/AMLなどの本人確認・監視機能を組み込みで用意する仕組み)を備えるとしています。
想定する利用者は、個人間送金を行う人、企業間決済を扱う事業者、そして自動で支払いを実行するAIエージェントの3種類です。人や企業が使う場合は、ステーブルコインを預けて即時決済やクロスボーダー(国境をまたぐ)B2B決済に回すほか、オンチェーンのマネーマーケット(貸し借りの市場)で余剰資金を運用し、利回りを得ることができるとしています。
AIエージェントが人に代わって支払いを実行する場面では、上限額・実行できる時間帯・送金先の許可リスト・取り消し可能性といった制御をチェーン側にあらかじめ組み込むことで、権限の範囲を超えた支払いを防ぐ設計になっています。具体的には、セッションキー(用途を限定し、いつでも取り消せる権限を持つ鍵)を使ったスマートアカウントを標準機能として用意し、価格情報が異常値に飛んだ際に処理を止める複数ソースの価格フィード、手数料の一部をトークンの買い戻し・焼却に回す仕組みも備えるとしています。
AXON Financeは、2025年にステーブルコインの決済額がVisaとMastercardの合計を上回る約$33Tに達した一方で、その規模に見合う決済専用のチェーンが存在しなかった、という点を自社の存在意義として説明しています。「お金はすでにオンチェーンで動いている。レール(決済網)がそれに追いついていない」という位置づけです。
US株コピー取引エンジンとTermiXとの連携
AXON Financeによると、今回調達した $2M は PayFi Layer-1インフラの開発加速と、同社にとって最初のオープンエコシステムとなる「US株コピー取引エンジン」の立ち上げに充てられます。このエンジンは、AXONのLayer-1決済基盤とアカウントアブストラクションを土台に、予測市場プラットフォームや元シリコンバレーのクオンツ(定量分析)デスクとの連携を組み合わせる計画とのことです。
同時期には、AI推論やエージェント間のマーケットプレイスを扱う TermiX との連携も発表されており、AIによる推論結果の最適なルーティングや、複数のエージェント向けマーケットプレイス間での相互運用を進めるとしています。あわせて「AI Intelligent Protocol Layer」と呼ぶ機能も準備中とのことで、コピー取引エンジンとあわせてAI関連の製品群を立て続けに投入する計画が見て取れます。
公式サイトでは、このコピー取引エンジンの参考値として「ROI 74,000%、38件の取引で勝率57.9%」という数値が掲げられていますが、これは公式サイト自身が「例示的なパフォーマンス指標」と注記しているものであり、実運用での裏付けが取れる第三者ソースは確認できていません。投資家については、リードのInfinite AllianceがAI領域に強みを持つ投資家であることが、AI×決済という同社の事業方向性と合うと自ら説明しています。確認できる情報源は公式Xアカウントと調達アグリゲーターの追跡が中心で、今回の$2M規模のStrategicラウンドについて主要暗号資産メディアによる独立報道は確認できませんでした。