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調達ニュース公開 2026.07.25更新 2026.07.25

暗号資産コンプライアンス基盤の Notabene が Ripple から戦略的出資を獲得(金額非公開)

暗号資産の travel rule(トラベルルール、送金の際に送金者・受取人の情報を相手方と通知しあう規制上の義務)対応プラットフォームの Notabene が、Ripple から戦略的出資を獲得。金額は非公開です。両社は、Notabene が手がける法人向けステーブルコイン決済基盤「Notabene Flow」への RLUSD(Ripple が発行するドル建てステーブルコイン)統合と、Ripple Payments(Ripple の国際送金サービス)との連携検討を進めるとのことです。発表は2026年7月23日でした。

プロジェクト概要

Notabene は2020年に設立され、ニューヨークに本社を置く暗号資産コンプライアンス企業です。中核製品の SafeTransact は、VASP(Virtual Asset Service Provider、暗号資産交換業者やカストディ事業者など暗号資産を取り扱う事業者)向けに、送金前のリスク判断を自動化するプラットフォームです。

具体的には、送金先の相手が制裁対象者リストに載っていないかを確認する sanctions screening(制裁対象者スクリーニング)、送金先が取引所などの管理下にない self-hosted wallet(自己管理型ウォレット、利用者自身が秘密鍵を保有するウォレット)かどうかを識別する仕組み、各国ごとに異なる travel rule 要件を自動で満たす機能を、ひとつのプラットフォームにまとめています。

こうしたコンプライアンス機能を土台に、Notabene は取引の前提となる相手方情報のやり取りを仲介するネットワークを運営しています。公式発表によれば、参加する金融機関・暗号資産事業者は2,300を超え、対象法域は100以上、年間の取引承認量は $2兆(2 trillion)相当に上るとされています。280社を超える大手銀行やフィンテック企業、カストディアン、取引所が顧客に名を連ねているとのことです。

RLUSD統合とRipple Paymentsとの連携

今回出資したのは、独自のドル建てステーブルコイン RLUSD を発行する Ripple です。両社は、Notabene が2026年に立ち上げたばかりの Notabene Flow に RLUSD を組み込むほか、Notabene が持つ取引前の承認機能を Ripple Payments と連携させる可能性を検討するとしています。

Notabene 共同創業者兼CEOの Pelle Braendgaard 氏は公式発表で「機関はもはやステーブルコインを使うかどうかを議論する段階ではなく、どう安全に大規模実装するかを考えている。RLUSDとNotabeneの組み合わせは、実証実験を本格的な成長のエンジンに変える」とコメントしています。Ripple でステーブルコイン事業を統括する Jack McDonald 氏(SVP of Stablecoin)も「ステーブルコインは急速に主流の金融インフラになりつつあるが、機関には信頼できる本人確認・コンプライアンス・取引承認の仕組みが必要だ」と述べています。

Ripple はここ数年、RLUSDを軸にした機関向け決済インフラの拡大を進めてきました。機関投資家向けの取引執行サービス Ripple Prime は年間$3兆超を処理しているとされ、RLUSDは発行から120日足らずで時価総額$1Bに到達したと報じられています。2025年12月には米通貨監督庁(OCC)から条件付きの承認を取得し、伝統的な銀行インフラとの接続に道を開いたともされています。

こうした機関向け決済の拡大局面で、Ripple は独自に travel rule 対応網を一から構築するのではなく、すでに2,300超の機関をカバーするNotabeneのネットワークに接続する形を選んだとみられます。

なお、Notabene が掲げる「年間$2兆超」という数字について、業界メディアのLedger Insightsは、これは travel rule のメッセージング(相手方情報の通知)量であり、ステーブルコインの決済そのものの実行量ではない点に注意が必要だと指摘しています。また、今回の戦略的出資の発表後もXRP価格の反応は限定的だったと報じられており、市場がこの提携を大きな価格材料とは受け止めていない側面もうかがえます。

Braendgaard氏はかねて、travel rule 対応が事業者ごとに異なるネットワークへ分断されている現状を課題として挙げており、Notabene 自身の調査では暗号資産事業者の67%が単一のプロトコルしか使っていないとも報告されています。

今回の出資条件そのものは非公開ですが、プレスリリースでは、Ripple の企業向けエコシステムとグローバルな顧客基盤を活用し、Notabene Flow の展開を各国で加速させる方針が示されています。金額非公開の戦略的出資であるため、伝統的なVCラウンドのようなリード投資家の陣容や評価額は公表されておらず、既存の事業提携を資本面でも結びつける形の投資である点が、通常のシード・シリーズラウンドとは異なります。

参考リンク

https://www.prnewswire.com/news-releases/notabene-announces-strategic-investment-from-ripple-302833267.html https://www.ledgerinsights.com/ripple-invests-in-notabene-as-compliance-network-targets-stablecoin-payments/ https://news.bitcoin.com/ripple-invests-in-notabene-to-expand-rlusd-stablecoin-payments-for-financial-institutions/ https://www.benzinga.com/crypto/cryptocurrency/26/07/60651569/ripple-teams-up-with-notabene-to-scale-rlusd-but-xrp-falls-3-whats-going-on https://x.com/notabene_id/status/2080262435777212542 https://x.com/PelleB/status/2080263102822490615 https://crypto-fundraising.info/projects/notabene/ https://t.me/crypto_fundraising/5293

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