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調達ニュース公開 2026.07.28更新 2026.07.28

Axis Robotics が Hack VC主導で $12M を調達

ロボットの動作データをブラウザ上のシミュレーションと暗号資産インセンティブでクラウドソースする分散型 Physical AI(現実世界で動く機械のための AI)インフラの Axis Robotics が、Hack VC主導の Seed ラウンドで $12M を調達。Nomad Capital、Pi Network Ventures、10K Ventures および複数のエンジェル投資家が参加し、発表は2026年7月27日です。

プロジェクト概要

Axis Robotics が取り組んでいるのは、ロボットを動かす AI の「学習データ不足」という課題です。文章を扱う大規模言語モデルはインターネット上のテキストを集めることでデータ量を増やせますが、ロボットの腕を動かして物を掴む・運ぶといった「操作の軌跡データ」はそう簡単には集まりません。Axis はこれを、専用のロボット実機やソフトを持たない一般の参加者でも貢献できる形で解こうとしています。参加者はブラウザ上で動く物理シミュレーター(ロボットの物理演算エンジン「MuJoCo」をブラウザ内で動作するよう変換したものだとされています)を使い、画面上のロボットアームを操作してタスクをこなすだけで、その操作履歴が学習用の「軌跡データ」として記録される仕組みです。

集まったデータの扱いには、ブロックチェーンによる「オンチェーンデータプロヴェナンス(来歴管理)」という考え方を組み込んでいます。これは、どの参加者がいつどのデータを作ったかという記録をブロックチェーン上に残し、後から検証・証明できるようにする仕組みです。Axis はこの記録を Base(Coinbase が手がけるイーサリアムのレイヤー2)上に置いており、2026年3月に本番稼働を始めたとされています。確認できるソースでは、現在 10万人超の貢献者が参加し、月間でシミュレーション上の操作データが1,200時間分、実世界でのカメラ映像などの操作データが2万時間超のペースで生成されているとのことです。

貢献者から集めたデータは、検証・不正チェック・軌跡の平滑化や拡張といった処理を経たうえで、特定の作業に限らず幅広い場面のロボット動作に応用できる汎用モデル「ロボティクス・ファウンデーションモデル」の学習に使われるとしています。直近のアップデートでは、方策(ロボットの行動パターン)がまず動いてみて失敗した場面だけを切り出し、そこに人間が最小限の修正デモを与えて改善するという反復学習の仕組みを取り入れたとのことです。Axis はこうして訓練した方策を、Franka Emika 社製のロボットアーム実機に展開して検証済みだとしており、Booster Robotics や Geely Auto(浙江吉利、中国の自動車大手)といった企業との商用連携も進めていると報じられています。

データ拡大のロードマップと、暗号資産インセンティブという論点

今回の $12M は、手続き的にタスクを自動生成する仕組みの拡張と、貢献者ネットワークの規模拡大に充てるとされています。ロードマップとしては、9月に「Sim Dataset V2」、11月に「DAgger Dataset」というデータセットの公開が予定されているとのことです。ファウンダーの Chris Feng 氏は、物理 AI の競争力はモデルそのものよりもデータをどれだけ速く蓄積・改善できるかで決まる、という趣旨のコメントを寄せています。なお、確認できる範囲では独自トークンはまだ発行されておらず、報酬は暗号資産と現金相当分を組み合わせたポイント制の設計だとされています。

Hack VC が主導した背景としては、ロボット向け学習データの不足という業界共通の課題に加えて、暗号資産側の資金がハードウェア集約型の産業に向かいやすくなっている事情が指摘できます。Framework Ventures の共同創業者 Michael Anderson 氏は、GPU やロボット機材のような個別資産は従来型の証券化市場では投資商品に組成しにくい一方、オンチェーン上には3000億ドルを超えるステーブルコインという即座に動かせる資本が存在しており、これがブロックチェーンを「資本集約的な産業のファイナンス層」として使う動きにつながっていると述べています。Axis の投資家に Hack VC や Pi Network Ventures など暗号資産ネイティブの顔ぶれが並ぶのも、この流れと整合的です。

一方で、こうしたクラウドソース型のデータ収集モデルには、報酬目当てで質より量を稼ぐ「ファーミング」への懸念がつきまといます。コミュニティの発信では、デイリーのタスクこなしや複数アカウントでの周回といった行動が実際に見られること、Axis 側も「新しいチート手法への対応」や不正防止の仕組みの更新を繰り返し発表していることが確認できます。文章と違ってロボットの操作データは質のばらつきが実機の挙動に直結しやすく、暗号資産の報酬設計と、実際に使えるだけの質を伴ったデータ蓄積とを両立できるかどうかは、今後の運用実績で見極める必要がありそうです。

参考リンク

https://www.cryptopolitan.com/axis-robotics-raised-12m-funding-to-build-the-compounding-data-engine-accelerating-physical-ai/ https://en.bloomingbit.io/feed/news/117048 https://x.com/axisrobotics/status/2081711331791827387 https://crypto-fundraising.info/projects/axis-robotics/ https://t.me/crypto_fundraising/5299

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