オンチェーン取引の実行品質を計測・検証するインフラの Birdai Labs が、Castle Island Ventures主導の Seed ラウンドで $4M を調達。Metalayer Ventures と The Venture Dept が参加し、発表は2026年7月28日です。
プロジェクト概要
Birdai Labs が取り組んでいるのは、トレーダーが注文を出してから実際に約定するまでの間に価値が漏れ出すという課題です。この間には、注文時に想定した価格と実際の約定価格がずれる「スリッページ」が生じます。加えて、MEV(ブロック生成者が取引の順序を操作して抜き取る利益)によっても価値が失われます。公式発表は、こうした目減りを測る共通の物差しが業界に存在しないことを事業の出発点に挙げています。
Birdai はチェーンの基盤レイヤーでインフラを運用し、取引のタイミング・順序付け・伝播を計測・検証する仕組みを提供しています。公式 X の発表スレッドでは、この事業を「スリッページが実際にどこへ行くのかを答える」ものだと位置づけています。実行品質を可視化することで、価値を生んだトレーダー自身にその価値を取り戻すことを狙っているとのことです。
創業メンバーの経歴も、この課題設定と重なります。CEO の Kevin Farrelly 氏は機械学習を使う与信会社 Random Forest Capital を創業し、同社は2018年に Franklin Templeton に買収されました。Farrelly 氏はその後、Franklin Templeton でブロックチェーンベンチャー事業を7年手がけています。
共同創業者の Greg Scanlon 氏は Citadel でシニアクオンツトレーダーを務めた人物です。創業クオンツ研究者としては、プリンストン大学PhDの James McClain 氏も参加しています。Birdai は2025年設立でサンフランシスコを拠点とし、外部調達前は自己資金で運営してきたとのことです。
マルチプロポーザー化と実行品質という論点
Blockhead は今回のディールを、高性能チェーンの設計変化という文脈に置いています。単一の主体が取引順序を決める仕組みから、マルチプロポーザー設計(複数の提案者がブロック構築に関与する方式)へ移行するチェーンが増えています。これにより、取引順序への支配が分散・断片化しつつあるとのことです。その結果、実行品質をどう計測し証明するかが、次の競争軸になるという見立てです。
Castle Island Ventures の創業パートナー Matt Walsh 氏は、ステーブルコインと RWA(現実資産をトークン化したもの)に言及しています。これらがパブリックチェーンのキラーアプリになりつつある中で、Birdai は市場に信頼を加える重要なインフラだと述べています。Farrelly 氏も、オンチェーン市場が機関投資家の資本を大規模に獲得するには条件があると述べています。DeFi の流動性コストが伝統金融と同等以上であり、かつ証明可能であることです。
調達した資金は、シニアエンジニアの採用と基盤レイヤーインフラの拡張に充てるとされています。公式 X の発表スレッドでも採用を強化している旨が明記されており、Birdai は組織体制の拡大を急いでいる段階にあるとみられます。
参考リンク
https://www.prnewswire.com/news-releases/birdai-labs-raises-4-million-to-return-onchain-trading-value-to-the-people-who-create-it-302836052.html https://www.blockhead.co/2026/07/28/birdai-labs-raises-4-million-to-build-onchain-execution-infrastructure/ https://x.com/Birdai_xyz/status/2082097591698022848 https://crypto-fundraising.info/projects/birdai/ https://t.me/crypto_fundraising/5303