米国のオンライン証券会社 TradeZero が、トレーディング・投資プラットフォームの eToro により最大 $231M で買収。対価は現金と eToro の新株(最大250万株)で構成され、クロージングは2027年上半期を見込んでいます。発表は2026年8月11日で、eToroが2026年に入って発表した3件目の買収とのことです。
プロジェクト概要
TradeZero は、2015年に設立された米国拠点のオンライン証券会社です。コミッションフリー(手数料無料)の株式取引と株式オプション取引を、デスクトップ・Web・モバイルの各プラットフォームで提供しており、主にアクティブトレーダーやデイトレーダー層をターゲットにしています。
看板機能の一つが「ショートロケーター」です。ショート(空売り)とは株を借りて売り、値下がり後に買い戻して差益を狙う取引で、実行には借りられる株を事前に確保する必要があります。ショートロケーターはその借株を検索・確保する専用ツールで、空売りを日常的に行うアクティブトレーダーにとって取引の可否を左右する重要な機構です。TradeZeroはこれに加えて、証券会社としてのブローカーディーラー基盤も自社で保有しており、カナダ市場や一部の国際・EU市場へのアクセスも提供してきました。直近12ヶ月の売上はおよそ$80Mで、粗利率は81%とeToroの発表資料に記載されています。
買収の位置づけ
eToro は今回の買収で、TradeZero が持つブローカーディーラー基盤とアクティブトレーダーコミュニティ、そして高い粗利率を誇る事業をまとめて取得します。CEOのYoni Assia氏は「米国事業を築く上での重要なステップ」とコメントし、TradeZeroの技術・基盤・コミュニティにより、米国顧客向けの新製品をゼロから作るより速く展開できると説明しています。TradeZero共同創業者のDaniel Pipitone氏も、eToro傘下入りをチームとトレーダーにとっての「次の展開」と位置づけています。
買収の背景には、eToroの暗号資産事業の減速があります。2026年第2四半期の暗号資産関連収益は前年比で約30%減少し、7月の暗号資産取引件数は前年同月比73%減とされています。eToroは2021年のSEC(米証券取引委員会)との和解により、米国での暗号資産提供をビットコイン・イーサリアム・ビットコインキャッシュに制限されており、この規制上の制約も、規制された米国株式・オプション取引事業への多角化を後押ししたと報じられています。
発表当日、eToro株価は10%前後下落しました。要因として、暗号資産収益の落ち込みに加え、新株発行による既存株主の希薄化懸念や、Robinhoodが強い米国株式市場へ参入することへの懐疑的な見方が挙げられています。既存のTradeZeroユーザーについては、取引環境や手数料体系の変更に関する具体的な発表はまだなく、クロージングは規制当局の承認を条件に2027年上半期を見込むとされています。
参考リンク
https://www.etoro.com/news-and-analysis/press-releases/etoro-to-acquire-tradezero-to-accelerate-us-expansion/ https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1493318/000121390026087527/ea030151002-6k_etoro.htm https://www.theblock.co/news/business/2026-08-11-etoro-to-buy-tradezero-for-231-million-equities-drive-q2-growth-411417 https://decrypt.co/375324/etoro-acquire-tradezero-us-expansion-stock-tanks https://crypto-fundraising.info/projects/tradezero/ https://t.me/crypto_fundraising/5320